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【17歳のカルテ】「境界」と「快復」の真の意味を徹底解説!女優陣の演技をよりリアルにした要因は?喧嘩シーンの意味にも迫る

出典元: https://www.amazon.co.jp/dp/B00PXKX20C/cinema-notes-22

映画「17歳のカルテ」は主人公が精神病院に入院することから物語が展開していきます。

スザンナは境界性人格障害と診断されましたが、この作品でいうところの「境界」とは何なのでしょうか。

そして「快復」とはどういう状態を指しているのでしょうか。

それらの真の意味を知っているかどうかで作品の着地点が大きく変わります。

また精神病患者という難しい役を見事にやり切った女優たちの演技がリアルな理由と、喧嘩シーンの意味についても解説します。

思春期の葛藤

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境界と快復を紐解くために理解しておかなくてはならないのが、主人公が抱えた病気「境界性人格障害」です。

境界性人格障害とは

境界性人格障害(BPD)のすべて

主人公が診断された「境界性人格障害」は青年期(15歳くらい〜20代半ば)の若い女性に発症するケースが多い病気です。

感情の波が極めて不安定で、他人に見捨てられるのが怖いと思い込んでしまう特徴があります。

30代頃には落ち着く傾向がありますが、主人公も18歳という思春期真っ只中の不安定さに翻弄されていました。

彼女が恵まれていた点は病院の仲間を観察し、自己を客観的に見つめる機会を得たところです。

これがなければ退院する時期がもっと遅くなっていたかもしれません。

体験をもとにした実話

映画「17歳のカルテ」は著者スザンナ・ケイセンが18歳から2年間過ごした精神病院での体験を綴った小説を映画化したものです。

映画が公開された当時の日本では17歳前後の少年が加害者になった凶悪犯罪が相次いで発生していました。

そこで心に問題を抱えた少女達を表すタイトルとして「17歳」を採用したわけですが、思春期には誰しも不安定な感情を持っています。

そしてその振れ幅は人それぞれ。

自我の確立をする年齢ですから、今までの自分の殻を破り大人に成長する過程では反抗や衝動が起こることはよくあることです。

自分の力ではどうにもならない心の葛藤が強く表面化した主人公達。

他人のことなどどうでもいいと思っているように見える彼女達は、実は自分と他人の境界線を上手く引けないでいたのです。

境界の真の意味

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この作品では「境界」がキーワードになってきます。しかし何と何の境界なのかははっきりと示されていません。

精神病院を舞台とした映画なので「正常と異常」の境界だと推測した方も多いのではないでしょうか。

正常と異常の境界はどこ?

病棟に入れられた彼女たちは時に不安定で破滅的です。しかし普段の様子は外の世界の女の子たちと変わらないようにも見えます。

友達を慰めようとギター片手に歌を歌ってあげる優しい一面も持っているのです。

精神異常だとして病院に隔離された彼女達と外の世界で生きている正常とみなされている人との間に大きな差はあるのでしょうか。

表の顔と裏の顔

人間には他人に見られてもいい表の顔と他人に知られたくない裏の顔があり、人によっては裏の顔を自覚していない場合もあります。