映像の圧倒的な進化や戦闘シーンの違いを解説しました。
本作は細かい違いはあれど、ストーリーに関して新たに付け加えられた要素はほぼありません。
オリジナル版のストーリーを忠実に再現、そこに進化した映像技術を織り交ぜたのが本作なのです。
しかし戦闘シーン以外でもオリジナル版と異なる点がいくつかあるので紹介していきます。
オリジナル版から新たに加わったシーン
オリジナル版から本作へ新たに加わったシーンとして以下のものがあります。
- コピーポケモンたちが去り際に、別れのそぶりをみせる
- エンドロール後のシーン
オリジナル版では、コピーポケモンたちは振り向かずに去っていきます。
本作では手を振ったり、軽く微笑んでから去っていくポケモンもいました。
このシーンに関してはファンの中でも意見が分かれています。
オリジナル版を支持する意見は「簡単に解決する問題ではなかったからこそ別れを惜しむそぶりを見せなかった」というもの。
本作を支持する意見は「最後はお互いの存在を認め合ったから別れのそぶりを見せた」というもの。
観客として、どちらの意見にも納得できる部分があります。
そしてオリジナル版では、エンドロール後にこれといったようなシーンはありません。
一方の本作では、ミュウツーがコピーポケモンたちと島に到着する様子が描かれています。
このシーンによりコピーポケモンたちにも生きる場所ができたことがわかり、観客にも嬉しいシーンとなりました。
オリジナル版からなくなったシーン
逆にオリジナル版からなくなったシーンとして、ポケモンたちがなきごえをあげるシーンが挙げられます。
オリジナル版ではサトシが石になったとき、多くのポケモンがなきごえをあげますが、本作ではピカチュウのみです。
ピカチュウのみがなくことで、サトシとピカチュウの関係性をより強調させるシーンとなっています。
オリジナル版ではサトシの石化で、ポケモンたちが我に返る様子が強調されていました。
また主題歌についても違う部分があるのです。
主題歌は、オリジナル版と同じく『風といっしょに』です。
しかし本作では、原曲を歌った歌手の小林幸子に加え、ポケモンシリーズの主題歌も歌った中川翔子とのコラボとなります。
完全版オリジナルキャラクターのアイツー
ミュウツーと共に生まれたアイツーとは
本作にもオリジナル版にも登場せず、完全版のみ登場するのがアイツーです。
アイツーは、サトシと共にミュウツーを救った存在といえるでしょう。
アイツーはミュウツーを創った博士の子どものコピーです。
アイツーとミュウツーは時を同じくして誕生しますが、ミュウツーほどの生命力がなく、ほどなく死んでしまいます。
死の間際、アイツーはミュウツーに、生きることは楽しいことなのだと伝えます。
この言葉は、自身の存在意義を問うミュウツーにとって心に引っかかる言葉となったのです。
ミュウツーとアイツー
ミュウツーは長らく自身の存在に疑問を覚えていました。
けれどもアイツーの言葉とサトシの行動をみて戦いをやめ、コピーポケモンたちと生きることにしたのです。
完全版のアイツーの存在は、ミュウツーの心情の変化と深く関わっています。
そのため、アイツーとミュウツーの物語が描かれなかった点はファンにとってマイナスポイントでした。