コララインが奪ったのは、世界をつなぐ扉の鍵です。
鍵を失ったことで、魔女はこちらの世界へ来ることが出来なくなりました。
当然子供をスパイする人形を送り込むことも出来ません。
しかし、魔女の住む世界は元々魔女が作りだしたものなので滅んではいないのです。
コララインに閉じ込められた後も、孤独の世界で子供を誘拐する作戦を練っていることでしょう。
扉はいつか朽ちるもの。この先魔女の住む世界の扉が開くこともあるかもしれません。
なぜクモなのか
本作でなぜクモが魔女として登場したのでしょう。
「コララインとボタンの魔女」ではうまい話には裏があり罠があるんだ、ということを伝えています。
子供を誘拐する魔女ですが自ら赴くわけではなく、子供は甘い香りに誘われて、自らよって来るのです。
いわば自分の意志で捕まったことになります。
騙されるな!と、観ているものは心で叫ぶのです。
他人事は冷静に判断出来ますが、いざ自分に罠がしかけられていたら……。
甘い誘惑に誘われ、魔女に捕まってしまうかもしれません。
罠をはり獲物を捕らえる捕食者として、クモは最適なはまり役だったわけです。
コララインが巨大なクモの巣に捉えられたシーンは、罠にかかった獲物そのものでした。
自分が注意をしていれば、クモの罠にははまらず悲劇は訪れなかったでしょう。
黒猫が意味するものは仲間
劇中で二つの世界を行き来し、自由に動くことが出来たのは黒猫だけです。
この黒猫は何を示しているのでしょう。
黒猫はなぜ嫌われていたのか
まず押さえておくべきは、黒猫の存在です。
魔女は蜘蛛であり、猫はクモを捕食します。
更に魔女はねずみを使役に使用していましたが、猫はねずみを捕まえてしまうのです。
猫は嫌われているといっていたけれど、実は猫と魔女は仲間かもしれない……。
魔女と黒猫は仲間である、という固定観念は物語をミスリードさせる要因になっています。
黒猫は仲間を示している
黒猫はコララインに様々な助言を与えていますが、いつも側にいる訳ではありません。
必要な時に必要な助言を与えます。
助けが欲しい時に助けてくれる、黒猫はまさに仲間であり友達を示しているのです。
コララインの当初の態度からわかるように、黒猫は避けられる存在として登場します。