この二人の関係は友情とも愛情とも違う、しかしお互いの事をとても深く大切に思う絆で結ばれているのです。

哀は次第にコナンに魅かれているようにも見えますが、それが愛情なのかという事は物語の中ではまだはっきりとはしていません。

二人は同じ運命を抱えるもの、つまり運命共同体のような深い絆でつながっているのです。

哀の姉への想い

「 名探偵コナン 」 モノクローム ハイバラ プチ 角小皿 直径5.5cm 024525

黒の組織に命を奪われた愛の姉・明美。ここでは哀が抱える心の傷や、姉への気持ちを解説していきます。

ひたすら電話をかけ続ける意味

“お姉ちゃんの声を聞きたい”から今は亡き姉への部屋の留守電へ電話をかけ続けます。

そこから見えるものは哀の誰にも拭う事のできない心の闇です。わずか30秒足らずの声でも聞きたい!

それは“姉の死を受け入れられない・姉はまだどこかで生きているのではないか”という哀の気持ちの表れなのです。

コナンと阿笠博士に電話を咎められ、自分の苦悩や葛藤が理解されない事に苛立ちを覚え、普段はクールな哀が感情を露わにするこのシーン。

姉への心境の複雑さを示しており「わからない!」は「わかってほしい!」という気持ちの裏返しでもあります。

唯一の居場所だった姉の存在

黒の組織の中でずっと生きる事を強制されていた哀にとって、姉の存在は唯一の安心できる場所でした。

そして“普通の世界”や“人とのつながり”を感じられる場所だったのです。

宮野志保という一人の人間のアイデンティティを尊重してもらえる唯一の家族でした。

ありのままでいられるかけがえのない姉の存在を奪われ、哀は自暴自棄にもなっています。

10年後の自分の顔がわかる写真を撮った時。

コナンに発した台詞は姉を失い、いつどうなってもいいという、哀の生きる事への無気力さが込められた台詞といえるでしょう。

哀の葛藤

不安な嵐の夜
姉が亡くなり、生きる事に失望している哀は無意識のうちに人と距離をとっているのです。

ツインタワービルで少年探偵団の面々がチョコを貰てはしゃいでいるシーンの後、哀は人知れずスタスタとどこかに行ってしまいます。

自分は小学生として今生きているけれど、自分だけが幸せになっていいのかと哀はいつも自問自答し、その気持ちの中で葛藤しているのです。

姉の死を忘れるなんてできない!あの子達と共に笑う事なんてできない!

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