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2001年にアメリカで公開されたクリスチャン・ベール主演の「アメリカン・サイコ」。
この作品は映画化から間も無く問題作として話題となったスプラッタ要素の強い80年代ホラー映画です。
今回は主人公パトリック・ベイトマン以外に異常者は居たのか、彼はどういう人物なのかについて考察していきます。
そもそもパトリック・ベイトマンは本当に殺人を犯したのかという点も皆さんにお伝えしていきましょう。
異常者はパトリック・ベイトマンだけではない
アメリカン・サイコはホラーやサスペンスというよりも、スプラッタに近い映画です。
一見すると主人公のパトリック・ベイトマンだけが異常者のようにも受け取ることができます。
しかし本当にパトリック・ベイトマンだけが異常者なのでしょうか?
どんどん人を殺していくパトリック・ベイトマンがアメリカン・サイコなのは明白。
本作が風刺しているのは「エリート」と呼ばれる権力者やスーツを纏った人間たちです。
名刺交換でマウントを取り合う登場人物たち
アメリカン・サイコは主人公と似た立場の登場人物たちが多く登場します。
その登場人物たちは、パトリック・ベイトマンと同じくブランド品の高級スーツを纏い、何不自由ない生活を送るエリートたちです。
そんなエリートたちのステータスはブランド品や自分の仕事だけでなく、名刺もその一つ。
色はボーンホワイト、書体はシリアン・レイル
引用:アメリカン・サイコ/配給会社:ライオンゲート・フィルムズ
このように、主人公のパトリック・ベイトマンは自身の名刺へのこだわりを自身で解説してくれています。
しかしライバル視しているポーン・アレンの名刺は主人公以上にこだわりを持って作成されたできる男の名刺でした。
作中の裏で殺し合いをしていてもおかしくはない
前述したアレンの名刺を大変悔しがり、アレンを殺してしまいます。
このように名刺でマウントをとること自体が異常だといえるでしょう。
上辺では愛想良くしていても、腹の底ではパトリック・ベイトマン同様に何を考えているのか分からない。
それがこの「名刺バトル」で浮き彫りになっています。
そうしたエリートたちが、主人公の知らないところでお互いを殺し合っていたとしても不思議ではないのです。
パトリック・ベイトマンは社会に適合したいと望んでいる
主人公クラスになると実際に仕事をしなくても、オフィスで好きな音楽を聴いて過ごすだけで仕事になります。
一見すると誰もが羨む充実した人生をおくっているように見えるでしょう。
パトリック・ベイトマン自身、仕事について娼婦に以下のように言われています。
よくわかんない仕事ね
引用:アメリカン・サイコ/配給会社:ライオンゲート・フィルムズ
そして主人公は以下のように娼婦に返答しています。
そうなんだよ
引用:アメリカン・サイコ/配給会社:ライオンゲート・フィルムズ
そう、彼の仕事には実態がない。そして、そのことにパトリック・ベイトマンはストレスを抱えています。
どれだけ仕事をしても金を稼いでもこのストレスと付き合わなければならないことへの不満を抱えているのは明白。
主人公の殺人衝動は、このストレスからどんどん強くなっていくのです。
社会に適合したいから殺人を犯す
社会に適合したい
引用:アメリカン・サイコ/配給会社:ライオンゲート・フィルムズ
パトリック・ベイトマンはこのように語っていて、この言葉の裏をそのまま返せば「自分は社会不適合者である」ということになります。