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「大脱走」はポール・ブリックヒルが捕虜収容所で体験した実話を元に出版された本「The Great Escape」を映画化したものです。
スティーブ・マックイーン、ジェームズ・ガーナー、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、リチャード・アッテンボローなど豪華俳優人が集結。
監督・製作に「荒野の七人」などで知られるジョン・スタージェスを迎えた映画史に残る名作中の名作です。
今回は映画「大脱走」から脱走成功者のその後を描かない理由、なぜ何度も脱走を繰り返したのか?ヒルツの情報収集は役立ったのか?を徹底考察していきます!!
脱走成功者のその後を描かない理由
脱走した76名のうち、脱走に成功し、自国に辿り着いたのはわずか3名といわれています。
脱走成功者のその後を描かない理由とは何だったのでしょう?
その真意を紐解いていきます。
脱走をする事が主題の映画ではないから
この映画は収容所の捕虜達の絆や友情を描いた群像劇です。
脱走計画を考えるうちに主人公のヒルツやその他大勢の捕虜達は心の深いところで繋がりを感じていきます。
同じ目的に向かう事で友情を超えた深い絆で結ばれていくのです。
この映画で大切なのは脱走計画そのものを描くよりも、捕虜収容所の中での人間関係を描く事に焦点があてられているところです。
脱走成功者のその後を描かない理由の一つ目は脱走できたかどうか云々ではなく、収容所の中での人間ドラマを主題に描きたかったからといえます。
主人公はあくまでもヒルツだから
本作品の主人公はあくまでもスティーブ・マックイーン演じる独房王ヒルツです。
本作の最大の見所はヒルツがバイクを使ってドイツ軍の追跡を逃れるアクションシーンにあります。
ラストもヒルツが独房で一人でボールを壁にあてるシーンで終わる事から、ヒルツの視点であくまでも物語は進むのです。
それを取り囲んだ様々な人間ドラマはありますが、この作品の一番の軸は“ヒルツの何事にも心折れない不屈の精神を描いている”という所にあります。
脱走成功者のその後を描かなかった理由はこの物語の主軸はやはりヒルツにあるから、という部分にもあるでしょう。
なぜ何度も脱走を繰り返したのか?
ドイツ軍の目を盗んでは脱走計画を繰り返す捕虜の面々ですが、何故何度も脱走を繰り返したのでしょうか?
その意図を探っていきましょう。
敵であるドイツ軍の後方撹乱のため
脱走を繰り返した事のまず一番の理由は、脱走を積み重ねていく事を通じて敵であるドイツ軍の後方撹乱を狙っているからです。
前線で戦えない事を引き換えに、脱走を繰り返すという事で捕虜達はドイツ軍の動きを惑わしているのです。