出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B079BMMNKL/?tag=cinema-notes-22
映画「アウトバーン」(原題:Collide)は2016年公開のカーアクション作品です。
エラン・クリーヴィー監督の下アメリカ・ドイツ・イギリス・中国が共同制作しました。
キャストもニコラス・ホルトとフェリシティ・ジョーンズを中心とした実力派揃いです。
あらすじは天才車泥棒ケイシーの人生がジュリエットとの出会いを機に変わっていくというもの。
ドイツを舞台に展開されるドキドキハラハラの展開は予想外の事態へと発展していきます。
本稿ではケイシーが再び犯罪に手を染めた理由をネタバレ込みで考察していきましょう。
また、カールだけ逮捕された理由、そしてトラック襲撃の狙いなども併せて掘り下げていきます。
原題の意味
本稿に入る前に、まずは本作の原題「Collide」の意味について考えてみましょう。
意味は「ぶつかり合い」ですが、この単語だけだと激しい車同士の衝突であると思われがちです。
実際はカーアクションのぶつかり合いは多くはなく、登場人物同士の衝突をメインに描いています。
ゲランとハーゲン、ケイシーとカール等登場人物の横の絡み・衝突が波乱の展開を生み出すのです。
何より一番はケイシーとジュリエット、この恋人同士の衝突が描かれていました。
そのような数々の衝突をアウトバーンのように高速で描かれるのが、本作の大きな特徴です。
ケイシーが再び犯罪に手を染めた理由
ケイシーは元々アメリカで車泥棒を行い、ドイツに来てもマフィア稼業に手を染めていました。
そんな彼はジュリエットに出会い一目惚れを理由に犯罪稼業から足を洗おうとします。
しかし、またもやある事情により再び犯罪行為に手を染めることになりました。
果たしてそれは何故でしょうか?
莫大な手術費の捻出
一番の理由は愛するジュリエットの手術代を早急に捻出するためです。
ジュリエットは腎臓移植をしなければならない程、命に関わる難病にかかっていました。
その為の手術代を何とか捻出しなければならないのですが、問題は捻出の手段です。
ケイシーは元犯罪者であり、決して堅実な生活をしてきたビジネスパーソンではありません。
富裕層であれば善意の寄付金という形での投資も有り得ますが、彼のステータスはその真逆です。
かといって、富裕層との繋がりやお金を貸してもらえる程の人間性も培っていません。
そうなれば犯罪行為以外に彼が一度に大金を手にする手段はないのです。
悪党が悪党に挑む
なんとその手術代捻出の方法は、ゲランのボスであるカールからの大量にコカインを積んだトラックの強奪でした。
しかもゲランのボスだというのですから、身内が身内を裏切るというとんでもなく危険な任務です。
本作の面白い所はここで正義の味方ではなく悪党が悪党に挑む方式になっていることでしょう。
カールは表向き慈善事業を行う知性派ですが、裏にはとんでもない悪党の顔を持っています。