岐神は劇中屈指のエースパイロットであり、性格も非常にプライドが高いクールな2番手タイプです。
実力的には長道よりも上なのに長道に嫉妬していた理由は主に2つありました。
1つが継衛のパイロットが長道であったこと、2つ目に星白が自分を差し置いて長道と仲良くなったことです。
皮肉にも彼が望んだものは意図しない形で長道に持って行かれた格好となります。
岐神は公私混同をしてしまい終盤で長道を罠に陥れようとし、悲惨な結果を招くのです。
星白の死が長道に与えた影響
岐神の謀略により陥れられた長道を守ろうとした白石は奇居子に殺されてしまいます。
ここでは彼女の死が長道に与えた影響を流と共に考察していきましょう。
無力
まず1つ目に長道は星白を救えなかった自分を無力だと思ったのではないでしょうか。
悲しいとか寂しいとかいう感情よりも行き場のない無力さの方が感情としては似合います。
挙句の果てに陥れた張本人の岐神にまで「お前のせい」などと罵倒されては尚更でしょう。
この時の出来事は長道の心に深い傷を残したことに間違いありません。
良くも悪くも星白の死は長道にとって大きな転換点となりました。
救えない命がある
2つ目にどんなにパイロットとして頑張っても救えない命があることをここで知ったことです。
星白が死ぬまでの長道は幾分順風満帆に活躍を積み重ねて、大きく部隊に貢献していました。
そんな彼が初めて救えなかった、守れなかった命として最初の挫折となったことでしょう。
戦争においてはどんな形であれ必ず犠牲者が出てしまい、それは避けられないことです。
それこそアムロ・レイや碇シンジだって死の恐怖と戦いながら成長していったのですから。
だから悪いことばかりではなく真のパイロットに覚醒する為に欠かせませんでした。
立ち直りは早い
とはいえ、これだけショックな出来事があっても割と立ち直りは早い方でした。
それは長道の中で星白の存在が「異性」というより「仲間」だからでしょう。
長道は女性からやたらに好かれますが、その好意に1度も応えることはありません。
命がけの戦いで明日は我が身という状況でそんなことを考える余裕がないのでしょう。
少なくともこの頃は成果を出すために一生懸命頑張るだけで精一杯だった筈です。
星白を失ったことはショックでも「仲間」と認識していたので深い情は持っていないのです。
それが後述する奇居子の場面とも繋がってきます。
奇居子が星白の姿を模した意味
物語終盤では星白を食い殺した奇居子が星白の姿を模して再登場します。
果たしてここでわざわざ星白の姿で現われた意味は何でしょうか?
精神攻撃
まず1つ目は星白の姿で現われることで彼らに精神攻撃を行っているのです。
特にその影響が露骨に出たのは長道よりも寧ろ彼を陥れた岐神でした。