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ティムバートン監督とジョニー・デップの最強コンビによる映画「チャーリーとチョコレート工場」は独特の世界観が癖になる名作です。
ウォンカの異質な幼児性が特に目を引きますが、シュールな描写の中に深い意味が秘められています。
チャーリーとウォンカの人間性にフォーカスを当てながら作品を考察していくと、道化師のようなウォンカの真の姿が見えてきます。
ウォンカの人間性
ジョニー・デップ演じるウォンカは、不思議な雰囲気を身にまとい近寄りがたい人物像に描かれています。
まるで道化師のように心がつかみにくいウォンカですが、まずは彼の人間性を深く考察してみます。
天才肌の魔術師
ウォンカは事業を成功させた工場のオーナーであり、天才ショコラティエやチョコの魔術師とも呼ばれています。
言動には幼児性が残っていますが、天才肌の実業家であることは確かです。
独身で子供がいないので自分の後継者をゴールデンチケットを当てた子供から選出するのも、常人にはなかなか出来ないことです。
家族の概念が欠如している
歯科医師の子供として育ったウォンカは家出という過去を持ち、家族で一緒に過ごすという時間を経験していません。
その為、親という発音も出来ず家族の概念が欠如している人間です。
劇中では語られていませんが、どうやらウォンカには母親もいないようです。家族の愛情を知らないまま育ってしまったのですね。
人付き合いが苦手
ウォンカは家を出て人との繋がりを切って工場で暮らしています。人付き合いは苦手です。
ウォンカの人付き合いの苦手な面を劇中では、上手く表現していました。
ギャグが滑ってしまったり、行動が少々空回り気味なのも、人付き合いの苦手な面が出ている名場面です。
愛情を感じずに育った子供は、人を信じることが出来ず自分に自信を持てないという研究結果も出ているようです。
ウォンカはまさに、現代の子供の問題点を体現しています。
親子で招待したのは人間性を観る為
親の存在に問題を抱えていたはずのウォンカですが、工場見学は子供だけでなく親も一緒に招待しています。
その意図は?
おそらく自分にとって疎遠である親という存在を見たいという思いと共に、親子関係を見れば子供の人間性が分ると思ったのでしょう。
幼児性の残るウォンカがそこまで考えたのかと疑問の声も上がりそうですが、彼は天才起業家であり、天才実業家でもあるのです。工場の未来を託す人材選びにも天才的な考慮があるはずです。