しかし自分が辛い顔をして、シンや仲間達やファンを動揺させてはいけないのでサングラスが必要と魔の手は考えました。
この場面は魔の手が涙を隠していたと考察でき、そのことがサングラスをかけた意味です。
ブルース・リーへのリスペクト
この場面にはメタ的な意味も考察できます。
映画「死亡遊戯」ではリーの代役はサングラスをかけていました。これはもちろん、代役の顔をはっきり見せないための工夫でした。
少林サッカーでも魔の手の顔を隠すことで、リーは香港映画にとって永遠の存在であることを製作者が表現しようとしたと考えられます。
「あなたはこれからも生き続ける」という製作者からリーへの敬意もサングラスをかけた場面に含まれています。
「少し休む」の意味
魔の手が口にした「少し休む」という言葉にはどんな意味があるのでしょうか。
この言葉にも製作者からブルース・リーへの敬意が込められていたと考察することができます。
少林サッカーは21世紀に公開された映画でした。ブルース・リーが生きていた時代からかなり未来になりました。
そんな時代でもリーの偉大な功績は薄れることはありません。今後も香港や拳法を題材にした映画には、どこかにリーの存在があり続けます。
少林サッカーのようにリーを思わせるキャラクターが映画に登場することで、彼は時代を越えて何度でも甦ることができるのです。
この台詞はリーが今作での出番を終えて、次の復活を待つために「少し休む」状態に入ったことを伝えていました。
例え時間が過ぎて時代が変わってもブルース・リーは永遠なのです。
ムイはどういった人物か
ムイが髪を坊主にした理由を考えるにあたり、彼女がどういった人物だったのか振り返ってみましょう。
内向的な性格
饅頭屋で働いてはいるもののムイは非常に内向的な性格でした。その理由は顔中にある吹き出物で、彼女はそれを長い前髪で隠しています。
顔を隠すだけでなく饅頭屋の女主人に自分の気持ちをいえないなど、彼女は心まで隠して生きていました。
シンも認める太極拳の達人でありながら、ムイは自分に自信を持っていません。
変わりゆくムイ
しかしそんなムイにも転機が訪れます。チームが活躍するにつれてシン達は自身を取り戻していきました。
サッカー界の実力者であるハンの雑用係をさせられていたチーム監督のファンも強く変わっていきます。
彼らと交流することで自分がしたかったファッションに身を包み、女主人に意見するなどムイは自信を身に付けつつありました。
無神経な部分のあるシンには届きませんでしたが、彼に告白したことも彼女の変化を表しています。