出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B00XONNSC2/?tag=cinema-notes-22
【ワイルド・カード】を派手なアクション映画的視点で見ようとすると期待外れになること間違いありません。
この物語は人の生き方について考えさせられる作品なのです。
主人公のニックは映画タイトルのとおりワイルド・カード的生き方をしており、何者にもなろうとしていませんでした。
このような彼の生き方に影響を与えたのは、何者かになろうとしていたサイラスだったのです。
この作品には「自分の人生は自分で決めろ」との強いメッセージが込められています。
サイラスがニックに近づく真意
サイラスは表面上ラスベガスで遊ぶための案内人兼用心棒としてニックに近づいてきました。
実はサイラスはニックのことを調べ尽くしており、彼は自分には持ち合わせていない何かをニックに求めていたようです。
しかし結局サイラスがニックに見たものは最初に想定したものとは全く別のものでした。
サイラスは何を求めていたのか
サイラスは大金持ちです。でも彼は自分でも言っているように腰抜けでした。
カジノに一人で出かける勇気すら持っていなかったのです。カジノでも大金を張るだけの度胸はありません。
彼は当初ニックから強さを学びたかったのではないでしょうか。
サイラスの調査によればニックは類い希な格闘スキルを持っており、恐れというものを知らないかのように見えました。
サイラスはニックに自分を鍛えて欲しいと懇願したではありませんか。
そんなサイラスでしたが、ニックに近づくことによってニックの真の姿を見いだすことになりました。
サイラスはニックに何を見たのか
サイラスはニックの中に自分と同じ腰抜けの実態を見たのでした。
ニックは自分自身の生き方を自分では決められず、ギャンブルとアルコールに溺れる自堕落な人生を送っていたのです。
ニックは自分なりの夢と目標を持っているつもりでしたが、土壇場になると一歩踏み出す勇気を持てないでいました。
サイラスはそんなニックに気づきました。そしてニックの中に自分の姿を見て、変わらざるを得ない自分自身を自覚したのです。
50万ドルとチケットを渡したわけ
サイラスはニックの背中を押すために50万ドルのキャッシュとコルシカ島行きの航空機チケットを渡したのです。
ニックにはこれを受け取る心の準備ができており、自分の人生を自分で決める勇気を持てていました。
サイラスがニックに渡した50万ドルとチケットには自分の生き方を変えてくれたニックへのお礼の意味も込められていたのかもしれません。
ニックの生き様
確かにラスベガスの皆に頼りにはされているようですが、ただ生きているだけのようにも見えなくはありません。
50万ドルを貯めてコルシカ島で悠々自適の生活を夢見ているといいますが、なぜか彼の言葉にリアリティが感じられないのです。
それは彼がギャンブル依存症になったこととも関わりがあるのかもしれません。
彼の生き様を見てみましょう。
ワイルド・カード的生き方
ワイルド・カードとは何にでも通用するカードといえます。