もちろん、全部ではなくコア層向けのものはある程度残っていくでしょう。

一方で、ライト層に向けた映画コンテンツはスマホやテレビでの視聴に特化した、立ち上がりから面白い構成のものや縦配信への対応といった変遷をしていくのではないかと考えています。

映画業界におけるデジタルマーケティング

——映画業界でデジタルマーケティングによってもたらされる効果や実施した方が良いのはどのような施策は何でしょうか?

今井:ユーザー層が二極化していく前提で考えると、上・中・下ではなく上・下に二極化していくため、二軸での考え方が必要でしょう。

1つは下層のユーザーをどう上層へアップセルしていくかという軸。そしてもう1つは新規獲得という、そもそもの母数を大きくする軸です。

デジタルマーケティングでは、この2軸のどちらに対しても働きかけることができます。

 

新規獲得でいうと、重要なのがPR・SNS・SEO対策です。

コロナ禍ということもあり、ユーザーのインターネットとの接触時間が長くなっています。

その分、看板広告や電車広告といったオフラインのSP広告よりも、デジタルマーケティングの持つ意味合いは広告全体としても増しているのです。

また、SEOの観点でいえば「ホラー映画」で検索する人に対し、検索した際におすすめのホラー映画として上位表示させることができれば新規ユーザーを獲得できるでしょう。

 

アップセルであれば、SNSのロイヤリティ醸成の役割が非常に大きいと考えています。

SEOではロイヤリティの醸成が難しく、下層の人を上層へ上げる動きが難しいでしょう。SNSであれば、顧客との関係のナーチャリングが実現できます。

このように、デジタルマーケティングでは新しく映画を知るユーザーを増やすことも、知ったユーザーがより映画を好きになりグッズを購入する動きを取らせることもできると考えています。

——映画を取り巻く環境は変化していますが、それはコンテンツそのものにも影響するのでしょうか?

今井:デジタルマーケティングを行う上で「コンテンツは不変のものとして存在している概念だ」という考え方が重要だと思います。

映画というコンテンツは、映画館・テレビ・スマホというように、配信プラットフォームの選択肢が増えています。

メディアという枠組みで捉えた時に、メディアはあくまでもプラットフォームであり、その中にコンテンツという概念があるのです。

映画もマンガも、DX(デジタルトランスフォーメーション)化、コンテンツのデジタル化が進んでいます。

 

映画はフィルムからデータになって動画配信される。マンガは紙だったものがデータになってKindleで読める。

音楽はレコードからデータになってYouTubeなどで聞ける時代です。

こうしたコンテンツのDX化は、移行スピードに違いはあれどどの業界も同じような推移を辿っています。

 

ただし、コンテンツ自体は不変のものです。プラットフォームの盛衰は時代にあわせてありますが、50年前だろうが100年前だろうがコンテンツの魅力は変わりません。

例えば、歌舞伎は江戸時代から続いていており、今でも舞台で見るのが主流です。

 

しかし今後CGの3Dレンタリングができるようになり、机の上で歌舞伎が3Dで見られるようになれば、舞台というプラットフォーム以外に3Dのプラットフォームができるでしょう。

そしてそれにあわせた新しい広告手法ができるのではないでしょうか。

時代によって流行り廃りはあっても、コンテンツは今後も中心にあり続け、それを囲むメディアは変わっていきます。

そのメディアを囲むように広告があり、外側から順に変わっていくのではないでしょうか。

最後に


今回は「映画」というコンテンツの過去と未来を、メディア・デジタルマーケティングの視点でご紹介しました。

映画を取り巻く環境が変化する中で、デジタルマーケティングの担う役割や効果も変化しています。

映画マーケティングでデジタルマーケティングを効果的に取り入れたい方や、デジタルマーケティングについてもっと知りたいという方はぜひ一度Wediaにご相談ください。