もしくは、その時すでにシェーンが死亡していたので反応しなかったとする見方ができます。

シェーンの左腕が垂れ下がっている

ジョーイとの別れのシーン後、墓場へ向かうシェーンの左腕はダラーンと垂れ下がっていました。

痛みを堪えているというよりも、左腕をかばう力さえ失っているように見えます。

怪我をしているからだけではない衰弱具合を感じ取ることができるのです。

最後にいる場所が墓場

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最後にシェーンが向かったのは墓場。死に場所を求めて辿り着いたと解釈している人が多くいるのは、このシーンが原因です。

単純に墓場=死であることから、シェーンが死んでいることを暗示していると理解できます。

生存説の根拠

シェーンには死んでほしくないという願望がある人は多くいます。

悪人から弱いものを守るヒーローが死んでしまうなんて悲しすぎるという想いが、生存説を根強く支える原動力のようです。

左手でジョーイの頭を撫でている

映画パンフレット 「シェーン」監督ジョージ・スチーブンス 出演アラン・ラッド、バン・ヘフリン

馬に乗ったシェーンが、ジョーイの頭を左手で力強く撫でているシーンがポスターとしても残っています。

もし左腕の傷が致命傷ならば、ジョーイの頭を撫でる以前に、左手を持ち上げることさえできないはず。

わざわざ左手で撫でる場面を撮影したのには理由があり、それがシェーンの傷が大したことないものだと証明しているのです。

墓地はただの通過点

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シェーンは墓地の間を抜けてその先へ向かっていただけ。死に場所を求めて墓地に行くなんて安直過ぎるという意見があります。

表面的すぎる演出を鵜呑みにしていいのかは見解が分かれるところです。

ジョーイの呼びかけに答えなかった理由

これも先程死亡説でお話したように、死にそうだから又は死んでいたから反応できなかったという見方もできます。

しかし、それほど単純な作品ではないように思えます。

なにやら、そこには作者が伝えたかった真意が隠されているようです。

作者が伝えたかった事

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この作品はジョンソン郡戦争を題材にして作られたと、冒頭でお伝えしました。

首尾一貫して時代背景が深く影響していることは、いうまでもありません。

元南部軍の兵士であるシェーンが、平和になった農民の土地から立ち去る姿は、ガンマンの時代が終わった事を意味しています。

もはや銃を必要としない土地、これからの平和な世界を担っていく子供ジョーイは新しい時代の象徴なのです。

ガンマンが活躍していた過去からの決別を、その別れのシーンに託しました。

固い意志を持って後ろを一切振り向かないショーンの姿。

新しい時代の幕開けに相応しい潔い別れ方であり、それが作者の真意なのです。

そして墓場に向かうシェーンの姿が象徴するのは、ガンマンの時代の終焉であることは間違いありません。

しかしそれだけでは不十分。

この映画において墓場は、戦争の犠牲となった多くの人の死を表していると捉えることができます。

銃社会がたどり着く先には多くの人の死が待っているという問題提起を、最後の最後に世界に放ったのではないでしょうか。

多くの犠牲の上に今の社会が成り立っていることを、決して忘れてはいけないと戒めてくれるのが映画「シェーン」なのです。

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