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『王様ゲーム』は2011年に公開したホラー映画です。
原作は金沢伸明による携帯小説で、モバゲータウンで公開されました。
モバゲータウンでの総閲覧数が4000万を突破する快挙を達成し、原作のシリーズは8作にわたる大作です。
原作の大ヒットから、その後小説や映画なども制作されました。
今回は、本作で王様が判明しないまま結末を迎えた理由や呪いが誰のものかを明かしていない原作者の意図に迫ります。
実は、智恵美は王様ではない
智恵美はあくまで呪いを受けた存在
結論からいうと、智恵美は王様ではありません。
本作では、王様が誰であるかは最後まで明言されません。
しかし、原作を知らない方は「智恵美が王様なのか」という疑問で終わってしまいます。
まず智恵美が王様だと思われる理由は以下の3点です。
- 本作での重要人物である伸明と莉愛が智恵美が王様だと考えたこと。
- 最初の王様ゲームが開催された場所が、智恵美の母の故郷であること。
- 智恵美が自殺したにも関わらず、半年後に生き返っていたこと(または死んでいなかったこと)。
この3点から「結局王様は智恵美だったのか」と思われます。
しかし初めにも書いた通り、智恵美は王様ではありません。
智恵美も他の生徒同様に、王様からの罰を与えられています。
智恵美の罰とは「死ねないこと」と「智恵美の行く先で王様ゲームが始まること」です。
これは智恵美自身のせいで大切な人を永遠に苦しめてしまうという呪いなのです。
そもそも智恵美はなぜ自殺しようとしたのか
智恵美が自殺しようとした理由は、自分が生きている限り王様ゲームが繰り返されると考えたからです。
そのため、自分が死ぬことで王様ゲームを終わらせようとしました。
しかし王様の罰により死ねないため、また王様ゲームが繰り返されるのです。
最後に映ったシーンで智恵美に変わった様子はありませんでした。
これは王様の記憶を操作する力により、智恵美が王様ゲームの記憶を失っているからです。
なぜ本作で王様が明かされなかったのか
続編への可能性を残すため
王様の正体を明かさなかった理由は、本作の続編を制作する可能性を残したから、といわれています。
『王様ゲーム』と同じくヒットした携帯小説『恋空』も、映画化後にテレビドラマ化もしています。
本作も続編を制作するために、王様が誰なのか、という重要な要素を残したのではないかといわれています。
また、本作は原作シリーズの1作目を題材としています。
しかし王様の正体が明かされるのは、シリーズ2作目『王様ゲーム 終極』です。
そのため、映画の尺を考えると王様の正体という要素を入れられなかったのでは、といわれています。