暮らしやすい環境で幸せを手にすることが何より一番求めていたことなのかもしれません。
目的は原住民から土地を奪うことだったのか
目的は土地を奪うことなどという野蛮な感情ではなく、ただ自分達が幸福になる為に突っ切ったのではないでしょうか。
西部にはインディアン達がいて、自分達と全く異なる文化で異なる生活をしている状況があるということは理解していました。
東部での生活自体も自称「村で一番の畑」を所有し、資産も多く持っていた生活を捨てて更なる幸福を目指したのです。
西部に辿りつきインディアンと抗争になれば戦い土地を奪ったのかもしれませんが、真の目的はそこではなかったのでしょう。
インディアン側からすると侵略されているようなものなので、結局戦いを避けることはできませんでした。
プレスコット家の両親が亡くなったことで、第1話の最後にイヴが親の意思を継いで西部に残り農業をすることを告げます。
東部と違い西部では綿花やタバコがよく育つので、東部ではできなかった規模や種類の農業をしたかったのかもしれません。
欲しいのはお金でもなく土地でもなく、まだ知らない未開の地での幸福だったのです。
この作品に取り入れられたシネラマ方式とは?
シネラマ方式とは?
初公開は1952年にニューヨークでの『これがシネラマだ!』でした。
シネラマとは湾曲した大きなスクリーンに、35mmフィルムを横に並べ3台の映写機で同時に映写する方式のことです。
映画の撮影時にも3台のカメラで同時に撮影を行っており、その映像をそのまま映像としています。
3つの映像を同時に再生をすることが難しく、ズレてしまうこともしばしばあったそうです。
湾曲する角度は左右合計で146°もあり、劇場を包み込むような迫力を味わうことができます。
専用の磁気録音フィルムでスクリーンの背後や客席に多数のスピーカーを設置し、臨場感を味わうことも出来ました。
しかし、映写が面倒であり制作にかかる費用も莫大だったために普及せずになくなってしまったのです。
3本の映画を繋いで上映するためにシネラマ自体で観賞してもそれぞれの繋ぎ目がきになるという欠点がありました。
この『西部開拓史』をDVD等で観賞した方の中にも2本の繋ぎ目が気になるという声も上がっていました。
欠点はあれど、大迫力で映画を観ることのできる最新の方式だったのです。
シネラマだからこその【西部開拓史】の魅力とは?
大迫力の見ごたえのあるシーンが多いこの作品では、シネラマで実際に見たかったという方が続出していました。
川での急流のシーンや猛牛の大群のシーン、機関車でのシーンなどはシネラマだとより一層楽しむことができるでしょう。
1962年の映画とは思えないほどの美しく綺麗な映像はシネラマを採用し、3方向からの撮影のおかげでリアリティも増しています。
音楽もこだわった作品なので、多数のスピーカーから流れるグリーンスリーブスの旋律に耳までも虜にされたに違いありません。
Blu-rayでは、シネラマ劇場の湾曲したスクリーンを再現したスペシャル・スマイルボックス方式がとられているものがあります。