最近の映画は映像の切り替えが凝っていて面白いんですが「ニュー・シネマ・パラダイス」は全く違うメッセージ性の強さを感じました。
主人公のトト(青年期 マルコ・レオナルディ)に対して、アルフレード(フィリップ・ノワレ)が「もう村に帰ってくるな」って言うシーン。
私だったら絶対帰りたくなっちゃうと思います。
でもトトはアルフレードの言葉の意味をきちんと理解したからこそ30年間も帰らなかったんです。
この2人がものすごく強い絆で結ばれていることが理解できた瞬間、めちゃめちゃ泣きました。
エレナ(中年期 ブリジット・フォッセー)とトトのキスシーンもフィルムをバーっと集めるシーンも、意味が理解できたからこそ面白かったです。
私が好きなのは、例えば主人公・アンドレア(アン・ハサウェイ)の通勤のシーン。
彼女の前を車が横切ったり一瞬映像から見えなくなった直後に衣装がパパっと切り替わるんですが、あのシーンがすごく好きです。
普通の女の子が仕事と恋愛を両立させるのってとても難しいですし、自分が本当にやりたい事をやるっていうのも難しい。
アンドレアは「自分がやりたい事じゃない」って気付いて仕事を投出して辞めちゃったんです。
彼女の上司のミランダ(メリル・ストリープ)はとても怖い人でしたが、実はアンドレアの能力をよく理解していたんです。
彼女が別の仕事に応募したときに「この子はよく働いていたし、彼女を受け入れない会社はおかしい」って言ってくれるんですよね。
ああ、この人すごいなって思いました。この場面が一番好きです。
こういう映画って、一日中影響されちゃいますね。
頭の中も気分もお洋服のことも、一日中映画のことでいっぱいになるんです。これもまた映画の楽しさだと思います。
Q.第92回アカデミー賞(現地時間2020年2月9日)が発表されましたが、受賞作の中でご覧になった作品はありますか?
「パラサイト 半地下の家族」(2019)を観ました。面白かったです。
貧困層の家族・キム家が富裕層の生活に入り込むストーリーなんですが、入り込み方がスパイのミッションみたいな描き方で面白いんです!
結構せこいやり方なんですよね。
もともといた運転手や家政婦を全て追い出して自分が入り込んで、家主の留守中に家族を呼んだりするんです。
でも実は家主の家には地下があって、「半地下」よりももっと下層部の住人がいることが分かります。
パク一家は自分たちよりも下の人間がいることを知って、ちょっと優越感に浸るんですよ。
「はあ、臭い」とか。自分がたとえ「お金持ち」と呼ばれる立場になったとしても、他人を見下す思考って変わらないんだなって感じました。
Q.お話を伺っていて洋画を多くご覧になっている印象ですが、邦画はいかがでしょうか。
©︎佐賀章広
洋画のほうが感情移入しやすいので、無意識に洋画を選んでいるような気がします。
日本人が演じているのと外国の方が演じているのでは、私の中での捉え方が違うのかもしれません。
でも邦画も、もちろんよく観ますよ。
菅田将暉さんと小松菜奈さんが出演している「溺れるナイフ」(2016)が好きです。漫画原作なんですが、音楽も映像もすごく素敵です!
あとはアニメ映画もよく観ます。「聲の形」(2016)はおすすめですね。京都アニメーション制作の映画で、めちゃめちゃ泣けます。
主人公の硝子(声/早見沙織)は聴覚障害を持っていて、なかなか皆とコミュニケーションが取れないことでいじめの標的になるんです。
最初「いじめについてのストーリーなのかな?」と思ったんですが、人と人とのコミュニケーションの大切さについて深く考えさせられる映画でした。
出てくるキャラクターの個性が強くて「考え方が偏ってるなー」って感じるんですが、よく考えてみると人間誰もが持っている考え方なんです。
人間が持っている感情や考え方のひとつひとつをそのままキャラクターにしたような感じで、すごくリアルだなって思いました。
あとは映画館で「天気の子」(2019)を観ました。面白かったですね。
それとスタジオジブリ作品の「崖の上のポニョ」(2008)が大好きです。
とにかくポニョが可愛い!ポニョが宗介を追いかけて水の上を走るシーンがあるんですが、水が沢山の魚の形になるんですね。
そのシーンが本当に可愛くて好きです。
Q.藤川さんが好きな俳優・女優について教えてください。
俳優だったらザック・エフロンですね。「セブンティーン・アゲイン」の主人公役で、「ヘアスプレー」にもリンク役で出演しています。
リンクはめちゃめちゃ歌がうまいシンガーなんですが、ザック・エフロンのイメージにピッタリ合っているんです。
「ハイスクール・ミュージカル」(2006〜2008)で爽やかな高校生・トロイ役を演じていたんです。
それが「グレイテスト・ショーマン」(2017)のフィリップ役では超ハンサムに成長していて。
歌も上手ですし、甘いマスクなのに筋肉がすごいっていうギャップも大好きです。
女優だと岸井ゆきのさんとナタリー・ポートマンさんが好きです。