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1997年公開の『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』は、余命宣告された二人のドタバタ劇を描いています。
ボブ・ディランの同名曲「Knockin’ on Heaven’s Door」に影響を受け作成されました。
世界中の心を奪った劇中のルディとマーチンですが、なぜルディは海を見るのを怖がったのでしょう。
また、劇中ではハチャメチャな発砲シーンが目立ちましたが、発砲シーンの裏側にも焦点を当てていきます。
そして感動のラストシーン…、ルディの心境に迫っていきましょう。
ルディが海を怖がる理由
劇中ではルディとマーチンが、天国での流行に乗り遅れないように、と病院を抜けて海を目指します。
どちらかというとルディに海を見せる為、の逃避行ですが、なぜヤン・ヨーゼフ・リーファース演じるルディは海を恐れたのでしょう。
現実を噛みしめたから
ルディは真面目な性格で、生き方も真面目です。
酔った勢いで海を見ようと病院を飛び出しましたが、酔いがさめた瞬間に現実に引き戻されたのではないでしょうか。
なんて無謀なことをしてしまったのか、と後悔と共に先へ進むことに対して恐れをなしていたのでしょう。
普通の生き方をしてきたルディにとっては、常軌を逸した行動をとるのは初めてだったのです。
おそらく彼ひとりだったら、そのまま病院に戻っていたでしょう。
「海」が命のゴールだと直感した
今天国では海の美しさについて語るのが流行ってるんだ。海を見たことがないお前はおいてけぼりにされるぞ。
引用:ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア/配給会社:K2エンタテインメント
海に向かう目的は天国での話に乗り遅れないようにすることです。
海に向かうというのは、死への準備をしているのと同じことといえるでしょう。
死を受け止め切れていないルディにとって、死ぬための準備を認めたくはなかったともいえます。
またルディは、海を見る日が自分たちの最後の日だと感じていたのではないでしょうか。
海を見たら「死」と直面するから
海を実際に見たら、自分は死と向き合わなければいけない、ということを知っていたのでしょう。
人は誰しも自分の死と向き合う時には恐怖を感じます。
余命いくばくもないと宣告されてから日が浅いルディは、死と向き合うということがどんなことか、想像もつかないのかもしれません。
未知なるものだからこそ恐怖を感じたのです。
発砲したのはなぜ?
本作は発砲シーンが多く登場しています。
ギャングと警察に追われるというストーリー上、避けては通れない発砲シーンですが、中でもマーチンの発砲シーンは印象的です。
不安を払拭するため
余命宣告を受けても平然としていたマーチンですが、内心では死へ対して不安と恐怖でいっぱいだったのではないでしょうか。
そんな恐怖を感じている自分自身へ向けて発砲していたのでしょう。
酔いがさめたことで、死への恐怖がどっと押し寄せてきたのかもしれません。
誰も犠牲にならない
劇中の発砲シーンはかなり過激ですが、この銃撃戦での死者は出ていません。