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フィリップ・リーヴの『移動都市』を原作とした、都市が都市を喰う千年以上先の世界を描いた映画『移動都市/モータル・エンジン』。
量子エネルギー兵器により荒廃した未来は、ミニオンズが古代アメリカの神として考えられるなど、予想を大きく上回った世界観でした。
作中で最も気になる登場人物が、移動主義・反移動主義どちらにも染まらず、多くの人を殺してきたシュライクです。
なぜ、シュライクはヘスターを追い詰めたところで、停止してしまったのでしょうか。
さらに都市ロンドンが機能停止した後、シャングオを守るクワン総督は、殺そうとしてきたはずのロンドン市民を迎え入れます。
一体、その行動にはどんな真意があるのでしょうか。今回はこれらについて考察します。
アナの決定的な一撃
シュライクが停止した直接的な原因は、アナが放った一撃です。
アナは反移動主義同盟の代表的な人物で、かなり高い戦闘能力を持ち合わせています。
シュライクは反移動都市同盟の話し合いに乱入した際、アナの一撃をもらいました。
胸へのかかと落とし
空中都市エアヘイブンで、シュライクが話し合いの場に乱入して混乱を招いたときアナとの戦闘になります。
他の隊員を蹴散らす中、アナだけはシュライクと同等に戦い合い、その中でかかと落としをシュライクの胸に決めました。
その際、シュライクの胸から火花が散り、シュライクは苦しんでいる映像があります。
シュライクはそれ以後動きが少しずつおかしくなり、倒れた際に映し出された胸の穴は痛々しいものでした。
つまりシュライクが停止する直接的な原因は、アナのかかと落としにあるのです。
ブーツのかかとにある仕込みナイフ
しかし銃弾をも簡単にはじくシュライクの体が、かかと落とし一つで壊れるわけがありません。
一体何があったのかというと、アナが履いているブーツのかかとには仕込みナイフが搭載されているのです。
奴隷として、トムとヘスターがせりにかけられるシーンは、アナの初登場シーンでした。
この際、大きな男の額にナイフを「ブーツのかかと」から差し込んでいる映像があります。
その直前には、かかとから突然出てくるナイフの映像もあることから、アナのブーツは仕込みナイフがあるのは間違いありません。
シュライクの胸にかかと落としを入れたとき、仕込みナイフを出しておいた結果、シュライクの皮膚(鋼鉄)を貫いたのでしょう。
それがシュライクの動きを止める結果となったのです。
何百年も活動してきた
とは言うものの、あれだけ人々に恐れられているシュライクが、そんなに簡単にやられることに納得はいきません。
そこには、シュライクの過去が大きく関わっており、その結果としてアナの一撃が突き刺さるのです。
シュライクを演じたスティーヴン・ラング
シュライクを演じたスティーヴン・ラングが、シュライクのこれまでについて説明しています。
その説明の中には、シュライクが何百年も人を殺し続けてきた、という内容がありました。
つまり、シュライクは何百年も存在し続け、戦ってきたのです。となると、当然パーツの劣化は否めないでしょう。