出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07MKG7SGL/?tag=cinema-notes-22
『世界にひとつのプレイブック』はデヴィッド・O・ラッセル監督によるロマンティック・コメディ映画です。
躁鬱病という現代にはびこる病気をテーマにかかげ、彼らの苦悩を浮き彫りにしていました。
パットの心の変化に注目しながら、ダンスがこの二人にもたらしたものは何かを徹底解説していきます。
パットの心は躁鬱に支配されていた
パットは一筋の光のような希望を胸に抱いていると同時に心に問題を抱えています。
彼の抱いている希望と抱える問題とは何なのか見てみましょう。
パットの躁鬱病とは
パットは妻と復縁することで全てがよくなると盲目的な希望を抱いています。
浮気した妻、浮気されて病んでしまった自分を認められず幸せだった頃の生活を取り戻そうと執着しているのです。
潜在的リスクのある人が、ストレスなどの外的要因にさらされた時に発生する
引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/双極性障害
パットはまさに、妻の浮気が大きなストレスになって躁鬱病を発病してしまったのでしょう。
治療法は下記のものが一般的です。
- 薬物治療法
- 心理教育
- 対人関係社会リズム療法
劇中でも薬の話を熱心にする二人の姿が描かれていました。
パットは主に、薬物治療と意図せぬ心理教育(自分の病気を認める)によって克服していったのではないでしょうか。
根拠のない希望を持っていた
パットの躁的要素は、妻と復縁するという根拠ない希望を持っていることでしょう。
妻とやり直せれば全てが解決するとも思っており、そこに根拠は何もありません。
根拠のない希望は、彼が自分の境遇を受け入れていないことを示しています。
劇中でも自分をまともだとする発言がありましたが、パットに必要なのは全てを認め受け入れることだったのです。
自分では気付かない心の変化
パットは自分で気が付かないうちに妻への執着心が薄くなっていきます。
それはティファニーにという存在の為でした。
ティファニーとの出会い
劇中にロニーの食事会でパットとティファニーが出会うシーンがありました。
妻一筋だったパットの心が揺さぶられる瞬間です。
ここで自分の心に素直になれば彼は救われたはずですが、自宅へ戻り結婚式のビデオで、揺れ動く自分の心を妻一筋に戻そうとします。
彼が自分の病気を受け切れていない為の行動でしょう。
クリフ医師の助言
劇中でパットはクリフ医師に下記のように諭されています。
ティファニーと仲良くなれば妻に寛大さや優しさをアピールできる
引用:世界にひとつのプレイブック/配給会社:ワインスタイン・カンパニー
クリフ医師には、妻に強い執着を持つパットの意識を他へ逸らそうとしている意図がうかがえます。
さすが医師というべきか、この発言によってパットは良い意味でティファニーとの距離を縮める結果となりました。
愛されていると実感し満たされた
パットは妻に裏切られたストレスから躁鬱病になってしまいますが、心が満たされることで症状が緩和されました。
妻宛ての手紙
妻に宛てたパットの手紙を、ティファニーが届けると約束したシーンがありました。