世間の評価を気にしてビクつくこともなく、麻田のいう「あらゆるものを豊かに含んでいる」美を手に入れたのです。

女性のもつ強さに背筋が凍るシーンでもありますが、自分で決めたことを突き進んだ姿は美しいという監督の意図が含まれているのでしょう。

最後のほほえみは何を物語る?

ヘルタースケルター 映画・原作 公式ガイドブック (Feelコミックス)

ラストシーンのりりこの「笑い」は、何を意味しているのでしょう。

こずえの驚きを笑った

こずえにとって、りりこは負け犬であり美の競争から脱落した存在だったはずです。

しかし目の前に君臨してるりりこは妖しいほどに美しく、こずえは驚いた表情をしたのでしょう。

セリフがあるなら「何を驚いているのかしら」とでもいったのではないでしょうか。

りりこはそうそう簡単に、駄目になる女性ではないのです。

勝利の嘲り

りりこは、かつてこずえに劣等感を感じていました。

しかし、ラストには芸能界の無常を受け入れているこずえの姿が小さなものに見えたのかもしれません。

いつか消えていくこずえよりも、自分の城を築き美しさを誇っている自分の方が格が上だと感じたのです。

彼女の笑いは小物と認識した、こずえに対しての嘲りとも取れえます。

目をえぐったのは忘れられない為

蜷川実花 虚構と現実の間に

劇中で目をえぐったりりこは狂気の中にいるように映りますが、この時の彼女は正気ではなかったのでしょうか。

世の中に強いインパクトを叩きつけた

見たいものを見せてあげるわ

引用:ヘルタースケルタ―/配給会社:アスミック・エース

りりこの上記のセリフは大きなインパクトを与えます。

それまでの彼女は、見てもらえるように美を磨き上げてきたのです。

しかしここでは、世間に惑わされることなく自分を見せつけてやろうとしています。

記者会見の前に彼女は最後の勝負を決意したのでしょう。

りりこというモデルが死なないように、世間に忘れられないインパクトを与えたのです。

まさに体をはったパフォーマンスでした。

整形に固執し続けた自分へのけじめ

完璧な姿こそが美しいと信じていたりりこですが、完璧な姿はもはや絶望的です。

彼女は自分のパーフェクトな容姿に、諦めというけじめをつけたかったとも考察できます。

元には戻れない姿を自ら作り出すことで、芸能界という世界を去る決心をつけたかったのではないでしょうか。

去り際まで華やかで、凛としたりりこの姿が印象的なシーンになっています。

死を決意していた?

目を刺して死ぬ確率は低いといえます。

りりこは死を覚悟していたわけではありません。

これまで、もてはやされてきた顔に致命傷を与えたということに意味があるのです。

彼女が目をえぐった時、カメラを向けている人々の無表情で無機質な動作が観る者をぞっとさせます。

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