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ハリウッドが1冊の歴史の本になるのなら『E..T.』ほど多くのページになる映画が他にあるでしょうか。

E.T.は今や宇宙人の代名詞となっています。E.T.を知らない人こそがまさに宇宙人だともいえるでしょう。

1982年の公開当時、アメリカではアカデミー賞の作曲賞やゴールデン・グローブ賞の作品賞などに輝きました。

日本でも大ヒットし日本アカデミー賞やキネマ旬報などの外国語映画賞を受賞しました。

一方で『E.T.』には不可解な点も多くあります。

特になぜエリオットがE.T.と一緒に地球を去らなかったのかと疑問に思った人もいるのではないでしょうか。

またスピルバーグ監督がこの映画で何を訴えたかったのかいまいち分からなかったという人もいるでしょう。

今回はそういった点を中心にしてこのハリウッドの記念的作品を解説してゆきます。

E.T.の本当の意味は?

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E.T.とは「地球外生命体」と日本語訳されることがほとんどです。

しかし本作をよく観るとE.T.にはもっと親しみ深い意味があることに気づかされます。

未知の生命体

E.T.は「Extra-Terrestrial」の略語です。

Terrestrialは地球の陸に生きる生き物を指す形容詞。

Extraにはさまざまな意味がありますが、映画を観ると「追加の」と訳すのが妥当だと分かります。

最初エリオット少年は友達に宇宙人を見つけたと言いますがまったく信じてもらえません。

そこで友達の1人が「Extra-Terrestrial」ではないかと指摘します。

会話の流れから、彼がそこに「(地球に追加された)未知の生命体」という意味を込めたのが分かります。

なぜなら多くの人にとって宇宙人よりも未知の生命体であった方が受け止めやすいからです。

それ以降、エリオットも彼の小さな友人をE.T.と呼ぶようになりました。

地球の新たな仲間としてのE.T.

E.T.を「地球外生命体」と訳すのは完全な間違いではありません。しかし外とつくので遠い星の生命体という印象を受けます。

EのExtraには映画のエキストラの意味もあります。

しかしエキストラを訳すとき、映画外キャストなどとは言いません。エキストラも映画の立派な登場人物なのです。

E.T.にしても同じです。外から追加されながらも地球の中にいる生命体であることに変わりはありません。

そのため「地球外生命体」や「宇宙人」と訳すのは厳密には間違いです。

いわば地球の新たな仲間だという意味合いがあります。E.T.にはこのような親しみやすい意味が込められているのです。

両親の離婚で居場所を失ったエリオット

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主人公の少年・エリオットには居場所がありません。両親の離婚で、彼の大好きなパパは愛人と遠くメキシコに去ってしまったのです。

E.T.と出会ったエリオットが、それをママに隠し続けるのもそのためです。彼はE.T.と共に新たな自分の居場所を作りたかったのでしょう。

両親の離婚は子ども心に人間不信を植えつけます。大抵の親は不仲でも子どもの前では仲良くふるまうものです。

そのため離婚の際に子どもは大きなショックを覚えます。特に母親には裏切られたという恨みを抱くようになります。

エリオットがE.T.をあれほど愛し、そしてE.T.の住む星・ホームにあこがれたのもそのためです。

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